2023/9/12
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DT+コマンドのオプション解説 ~プロジェクトの作成からデータの取得まで~
このページでは、DT+をCUIで制御する際に使えるコマンドオプションについて解説します。
今回は、「プロジェクトの作成~データ取得」までです。
- コマンドオプションの詳細についてはこちら
→ レポートデータの解析など
Contents
[DT+コマンドについて]
- コマンドラインの実行には、インストールフォルダ内にある「DT+Cmd.exe」を使用します。
全ての操作をこの実行ファイルから行い、オプション指定によって操作する機能の切り替えが可能です。
コマンドの基本的なオプションは以下の通りです。
オプション | 機能 |
---|---|
-newproj | プロジェクトを新規作成 |
-newins | 指定のソースファイルにテストポイントを新規挿入 |
-fasttp | ソースファイルに対して、高速テストポイント変換を実行 |
-project | DT+Traceアプリケーションを起動し、指定のプロジェクトファイルを開く |
-exit | DT+Traceアプリケーションの終了 ※ |
-view | 指定の関数を検索し、ソースコードを表示 ※ |
-trace | レポートデータ収集の開始/停止 ※ |
-report | 指定されたレポートデータを開く ※ |
-analyze | レポートを解析し、各種レポートを開く ※ |
-ftransition | 現在、開いているレポートの関数遷移スコープを表示 ※ |
-export | 表示中の各種レポートデータを指定のファイルへエクスポート ※ |
-import | ファイル書き出し接続で取得したレポートデータ、またはテストポイント有効無効状態をインポート |
-deletetp | 指定のソースファイルからテストポイントを削除 |
-help | ヘルプを表示 |
※は、DT+Traceアプリケーションが起動されている状態で使用できるオプションです。
次の項目から各オプションの詳細について解説していきます。
「-newproj」:プロジェクトの新規作成
■ どんな機能?→プロジェクトを新規作成します。
フォーマット:DT+Cmd -newproj project_file file_name.dtxprj root_dir { asyncbus | asyncbusfunctioncall | gpio4bit | gpio2bit | spi | i2c | ethernet | uart | can | datawriting | connection_settingfile } [ base_address ] [ -Event eventid_output_type ] [ project_settingfile ]
- パラメータにて、[プロジェクトファイル名]、[ルートフォルダ名]、[接続方式]、[設定値ファイル名]を指定可能です。
引数 | 説明 |
---|---|
project_file | プロジェクトファイルを作成したい場所のパス(絶対パスまたは相対パス) |
file_name.dtxprj | プロジェクト名 (拡張子「.dtxprj」で作成) |
root_dir | ソースファイルが存在しているルートフォルダのフルパス |
asyncbus | 接続方式-非同期バス接続 |
asyncbusfunctioncall | 接続方式-非同期バス接続(関数コール) |
gpio4bit | 接続方式-GPIO4bit |
gpio2bit | 接続方式-GPIO2bit |
spi | 接続方式-SPI |
i2c | 接続方式-I2C |
ethernet | 接続方式-Ethernet |
uart | 接続方式-UART |
can | 接続方式-CAN |
datawriting | 接続方式-ファイル書き出し |
connection_settingfile | 接続設定ファイルのフルパス ※[接続設定ファイル]とは、プロジェクト作成時のオプションのデフォルト設定を保存したファイルを意味します ※省略可能 |
base_address | ベースアドレス:[非同期バス接続]を使用する場合に設定が必要になります。 「0xから始まる16進数の値かつ、下1ケタは0」で指定してください。 例:0x80000010 |
-Event eventid_output_type | イベントID出力方式を以下から指定します。 – イベントID出力ポイント挿入:eventid – 拡張イベントID出力ポイント挿入:extendedeventid – カーネル情報出力ポイント挿入:kernelinfo – ドライバ対応方式:viadriver |
project_settingfile | プロジェクト設定値ファイルのフルパス ※省略可能 |
■ 接続設定ファイルについて
-
[接続設定ファイル]は、「接続方式の詳細設定を指定したテキストファイル(*.txt)」です。
接続方式が「Multi-Trace Unit」のプロジェクトではファイルの指定が必要になります。- 1つの項目につき「タグ,パラメータ」のように1行で記載してください。
- タグとパラメータはカンマ 「 , 」 を挟んで記述します。
- タグ、パラメータは半角英数字で記載してください。(大文字、小文字の指定はありません。)
- 項目は順不同です。ただし、同じ項目で複数の記述があった場合はより後ろの行が有効です。
- 行の1文字目に 「 ; 」を付けると、コメントとして扱われます。
- 空行、コメント行は無視されます。
記入例
;接続方式:GPIO4bit
;経過時間をターゲットプログラムで取得する: ON
;1カウントあたりの時間: 1000ns
;Isolator Unitを使用する: ON
;**********
;Connection, gpio4bit
TimeFromTarget, 1
TimePerCount, 1000
Isolator, 1
■ 接続設定ファイルの作成に使用する接続方式ごとの[タグ]/[パラメータ]について
- 接続方式ごとの[タグ]および[パラメータ]に関しては、以下のように設定を行います。
タグ:Connection
パラメータ | 説明 |
---|---|
asyncbus | 非同期バス接続 |
asyncbusfunctioncall | 非同期バス接続(関数コール) |
gpio4bit | GPIO4bit |
gpio2bit | GPIO2bit |
spi | SPI |
i2c | I2C |
multitraceunit | Multi-Trace Unit |
ethernet | Ethernet |
uart | UART |
can | CAN |
datawriting | ファイル書き出し |
- GPIO/SPI/I2C
設定項目 | タグ | パラメータ |
---|---|---|
経過時間はターゲットプログラムで取得する | TimeFromTarget | 有効のとき1 、無効のとき 0 |
1カウントあたりの時間 | TimePerCount | 1~1000000(ns) |
Isolator Unitを使用する | Isolator | 有効のとき1 、無効のとき 0 |
レベルシフトを有効にする | LevelShift | 有効のとき1 、無効のとき 0 |
- Multi-Trace Unit
設定項目 | タグ | パラメータ |
---|---|---|
CH1の接続方式 | CH1 | gpio4bit / gpio2bit / spi / i2c |
CH2の接続方式 | CH2 | gpio4bit / gpio2bit / spi / i2c |
CH3の接続方式 | CH3 | gpio4bit / gpio2bit / spi / i2c |
CH4の接続方式 | CH4 | gpio4bit / gpio2bit / spi / i2c |
- Ethernet
設定項目 | タグ | パラメータ |
---|---|---|
TCPIPサーバーアドレス | TCPIPServerIPAddress | ###.###.###.### |
ポート番号 | PortNo | 整数 |
接続モード | EthernetConnection | UDP / TCPIPClient / TCPIPServer |
経過時間はターゲットプログラムで取得する | TimeFromTarget | 有効のとき1 、無効の時 0 |
1カウントあたりの時間 | TimePerCount | 1~1000000(ns) |
※ # は整数
- UART
設定項目 | タグ | パラメータ |
---|---|---|
COMポート | COMPort | 1 – 10 |
通信速度 | UARTBaudRate | 4800 / 9600 / 14400 / 19200 / 28800 / 38400 / 57600 / 76800 / 115200 / 230400 / 460800 / 921600 |
パリティ | Parity | Even / Odd / None |
ストップビット | 1 / 1.5 / 2 |
- CAN
設定項目 | タグ | パラメータ |
---|---|---|
通信速度 | CANBaudRate | 10k / 20k / 50k / 100k / 250k / 500k / 800k / 1M |
CANID | CANID | 0x0~0x7ff |
「-newins」:指定のソースファイルにテストポイントを新規挿入
■ どんな機能?→フォルダパスを指定して、フォルダ直下のソースファイル全てにテストポイントを新規挿入します。
フォーマット:
DT+Cmd -newins [ -updated ] [ -recursive ] project_file file_dir [ -TPKind TPType ]
- 種別を指定して、挿入するテストポイントを限定することができます。
- テストポイントの自動挿入設定は、指定のプロジェクトファイルの設定に従います。
- プロジェクトに指定のソースファイルが登録されていない場合はソースファイルの登録を行った上で、自動挿入を行います。
- 対象のプロジェクトファイルをアプリケーションで開いている場合は、実行できません。
- フォルダパスを指定して、フォルダ直下のソースファイル全てにテストポイントを新規挿入します。
- 種別を指定して、挿入されるテストポイントを限定することができます。
↓各項目の引数については以下をご参考ください。
引数 | 説明 |
---|---|
-updated | 更新されているソースファイルのみを対象とするプロジェクトに登録されていないファイルのプロジェクト登録、新規挿入も行われます |
project_file | プロジェクトファイル(絶対パスまたは相対パス) |
-recursive | サブフォルダ以下を含めたすべてのソースファイルを対象とする |
file_dir | ソースファイルを含むフォルダのフルパス |
-TPKind | 挿入するテストポイントの種別を指定する |
TPType | 挿入するテストポイント種別を、以下から1つ以上指定します。複数の指定子は“+”で区切ります。 All, FuncIn, FuncOut, if, for, while, do, switch, try, throw指定子にAllが含まれる場合、他の指定子を無視して全てのテストポイント種別が挿入されます。 |
※この項目のほかにも様々なテストポイントの新規挿入方法がありますが、そちらは別のページで解説しています。
-trace:テストレポート収集を開始する
■ どんな機能? → 起動しているアプリケーションの中から対象プロジェクトファイルを開いているものを検出して、テストレポート収集を開始します。
フォーマット:
DT+Cmd -trace start [ testitem_name ] [ all ]
DT+Cmd -trace start [ testitem_name ] [ -proj:project_file ] [ -dbox:serial_no ]
- テストレポート収集設定や接続設定は、プロジェクトファイルに保存された内容を使用します。
- “all”を指定することで、テストレポート取得可能状態にある全ての「DT+Trace」や「DT+Analog」とテストレポート収集の開始を同期します。
- アプリケーションを起動している状態で使用してください。
- 起動しているアプリケーションが1つだけの場合、“-proj”および”all”を省略できます。
- 収集するアプリケーションでDBOX+Traceを選択済の場合や、PCに接続されているDBOX+Traceが1つだけの場合、“-dbox”を省略できます。
引数 | 説明 |
---|---|
start | レポートデータ収集を開始 |
testitem_name | テスト項目名 |
all | 起動中のすべてのアプリケーションを対象とする※省略可能 |
-proj:project_file | 指定のプロジェクトファイルを開いているアプリケーションを対象とする(絶対パスまたは相対パス ※省略可能 |
-dbox:serial_no | 指定のSerial No.を持つDBOX+Traceからテストレポートを収集する ※省略可能 |
-trace stop:テストレポート収集を停止する
■どんな機能?→起動しているアプリケーションの中から対象のプロジェクトファイルを開いているものを検出して、テストレポート収集を停止します。
フォーマット:DT+Cmd -trace stop [{ -proj:project_file | all }]
- テストレポート収集中の状態で使用してください。
- “all”を指定することで、テストレポート取得中の全てのDT+TraceやDT+Analogとテストレポート収集の停止を同期します。
- 起動しているアプリケーションが1つだけの場合、“-proj”および”all”を省略できます。
引数 | 説明 |
---|---|
stop | レポートデータ収集を停止 |
-proj:project_file | 指定のプロジェクトファイルを開いているアプリケーションが対象(絶対パスまたは相対パス) ※省略可能 |
all | 起動中のすべてのアプリケーションを対象とする テストレポート収集の停止を同期 ※省略可能 |
-project:プロジェクトファイルを開く
■どんな機能?→新たにアプリケーションを起動し、指定されたプロジェクトファイルを開きます。
フォーマット:DT+Cmd -project project_file
- 対象プロジェクトファイルを開いているアプリケーションがあった場合、ウィンドウを最前面に表示します。
- プロジェクトを開いたときにソースに変更があった場合は、その旨のメッセージを表示し終了します。
引数 | 説明 |
---|---|
project_file | プロジェクトファイル(絶対パスまたは相対パス) |
-exit:DT+Traceアプリケーションを終了する
■ どんな機能? → 起動しているアプリケーションの中から対象プロジェクトファイルを開いているものを検出して、アプリケーションを終了します。
フォーマット:DT+Cmd -exit { save | quit } [{ -proj:project_file | all }]
- 引数によって、プロジェクトを保存するかどうかを指定できます。
- アプリケーションを起動している状態で使用してください。
- 起動しているアプリケーションが1つだけの場合、“-proj”および”all”を省略できます。
引数 | 説明 |
---|---|
save | プロジェクトを上書き保存して終了 |
quit | プロジェクトを保存せずに終了 |
-proj:project_file | 指定のプロジェクトファイルを開いているアプリケーションが対象(絶対パスまたは相対パス) ※省略可能 |
all | すべてのアプリケーションを対象とする ※省略可能 |