2025年9月25日〜26日にオンライン開催された「ソフトウェア品質シンポジウム2025」にて、ハートランド・データはランチセッション枠で講演を行いました。
組込み開発の現場での「時間が足りない」「環境構築に手間がかかる」といった課題は、CI/CDの導入を阻む大きな壁となっています。本セッションでは、組込み開発におけるCI/CDの重要性と、実機テストの自動化をテーマに、弊社製品「組込み開発向けテスト自動化プラットフォーム AUTOmeal」を活用した具体的な取り組みをご紹介しました。

この記事では、当日の講演内容を振り返りながら、開発現場に役立つヒントをお届けします。

AUTOmealの製品概要はこちら
 

実機テストを自動化してCI/CDから自動実行させる方法

 

組込み開発にもCI/CDは必要不可欠

従来の組込み開発の現場では、ソフトウェアの品質向上と開発サイクルの短縮に向けて、CI/CDの考え方が強く求められています。しかし、 私たちが日々直面しているのは、「時間が足りない」「環境構築に手間がかかる」といった課題です。これらの課題とどう向き合うか、という視点から講演はスタートしました。

開発者の貴重な時間を奪うのは、繰り返しの多いルーチンワークや、属人化しやすい環境構築です。講演では、これらを自動化し、再現性のある開発環境を整備することが、アウトプットを増やし、品質を向上させるための重要なポイントであると強調しました。「楽をする仕組みを知っているエンジニアほど強い」そんな視点から、CI/CDの導入が現場にもたらす価値を共有しました。

 

Docker×Jenkinsで環境構築を効率化

Dockerを利用したビルド環境構築のメリットについて、開発ツール管理とCI/CD環境構築の二つの視点でご紹介。

ここでは、以前IAR社と共同で取り組んだプロジェクトの中から、DockerとJenkinsを活用したCI/CD環境構築の事例をご紹介しました。
複数バージョンのコンパイラ環境をDockerイメージとして管理し、Jenkinsと連携することで並列ビルドを実現。LinuxとWindowsでのビルドや静的解析の速度の違いも併せて説明いたしました。

 

実機テスト自動化を定着させるために、まずは“小さく始める”

スモールスタートとは、テスト自動化にも、リーン思考やアジャイル開発的なポイントを取り入れること。

次に、CI/CDの最終段階である実機テスト(CT)をいかに効率よく進めるか、その鍵となる「スモールスタート」の考え方をご紹介しました。テスト自動化は、最初から完璧を目指して大きく始めると、準備に時間がかかりすぎてプロジェクトが停滞したり、現場にうまく定着しないケースが多く見られます。そうではなく、「小さく始めて、動かしながら改善していく」というアジャイルなアプローチこそが、自動化を定着させるために重要です。

このスモールスタートを実現し、テスト自動化を現場に定着させるために、特に重要な3つの要素をご紹介しました。

成功の鍵は「小さく始める」こと ~定着に必要な3つの要素~

  • 素早く環境が作れること
  • 誰でも使えること
  • ピンポイントでも効果が出ること
AUTOmealは、なり代わりによるテスト環境を素早く構築し、組込み機器のテスト自動化のための機能も充実しています。

また、こうした考え方に合ったツールとして、弊社では「AUTOmeal」をご紹介しました。
AUTOmealは、Raspberry Piと拡張IFボードで物理操作を電気信号に置き換え、ExcelベースのGUIで誰でも扱える設計になっており、スモールスタートに最適な仕組みとなっています。
「まずはできるところから始める」それが、自動化を確実に現場に定着させる第一歩となります。

 

デモでご紹介したAUTOmealの活用例

最後に、AUTOmealを活用したCI/CD〜CTまでの一連の自動化デモをご紹介しました。

  • Gitへのプッシュをトリガーに、JenkinsがDocker環境でビルドを実行
  • コンパイル、静的解析、単体テスト、ファームウェア書き込みまでを自動化
  • 最後にAUTOmealによる実機テストを実行し、NG判定のログもGUIで可視化

さらに、ロボットアームを使ったタブレット操作の自動化や、PWM信号によるLEDの明るさ調整など、複雑な操作にも対応できることを実演しました。

 

まとめ

今回の講演では、組込み開発におけるCI/CDの重要性と、実機テストの自動化による開発効率の向上について、具体的な事例とともにご紹介しました。
特にAUTOmealは、物理操作の電気信号化、GUIによる可視化、Docker環境との連携、そしてロボットアームによる高度な操作の自動化など、開発現場の課題に対して多面的なアプローチを可能にするツールです。
「楽をする仕組み」を知ることで、開発者はより本質的な設計・検証に集中できるようになります。まずは、無料のデモ動画でその可能性を体感してみてください。

【 無料でみられる! 】組込み開発向けテスト自動化プラットフォームAUTOmeal デモ動画

AUTOmealによる環境構築から実際の自動テストの様子まで、基本的な使い方をデモンストレーションいたします。ぜひ実動作をご覧いただき、その効果をご確認ください。