今回の「動的テストの自動化を考える」は、前回の「番外編」に続く「番外編 第二弾」として、先日パシフィコ横浜で開催されたET2018で展示を行った「DT-ACE」の新しいデモ環境をご紹介したいと思います。この「DT-ACE」の新しいデモ環境では、テスト対象となる組込み機器を「専用ハードウェア」を使用して直接I/Oレベルで「駆動」させて自動テストを行うことができます。

 

「DT-ACE」のおさらい

「DT-ACE」は、「Dynamic Test Automation environment Constructing solution for Embedded devices」の頭文字を取ったもので、日本語では「組込み機器向け動的テスト自動化環境構築ソリューション」となります。組込み機器のテストを自動化し、同時に動的テストも実施することを目的としています。

「DT-ACE」を使用することで、組込み機器のテスト自動化を実現する上で悩みの種であった物理的な操作、表示内容の認識、電気的な信号の検知が容易になり、組込み機器のテスト自動化のハードルがぐっと下がるはずです。

 

特製「卓上扇風機」が今回のテスト対象機

ET2018に向けて、今回は次のような特製の「卓上扇風機」を作成しました。

 
LED付きファン

扇風機のファンにはLED付きのファン(実際にはデスクトップPC用の冷却ファン)を使用しています。ファンのLEDは動作モードに応じて様々な色に変化するようになっています。

 
タッチキーによる操作

扇風機の操作はタッチキーにて行います。キーは、パワーキー、風量切り替えキー、ECOモードキーの3つ。タッチキー用のセンサーモジュールを筐体内に配置し、キー入力を検知します。キー入力があったときはビープ音が鳴ります。

 
人感センサーによる省エネ化

扇風機の前に人がいるかいないかを距離センサーによって検知します。ECOモードがONのときは、ある一定距離内に人がいないと判断されたときは、扇風機の回転が自動で止まります。停止状態で人を検知したときは回転が再開します。

 

自動テストを行うための専用ハードウェア

この「卓上扇風機」を動作させるためには、「タッチキーを押す」もしくは「人感センサーを反応させる」といった物理的な操作が必要になります。物理操作を伴うテストの自動化はロボットを使う他ありません。ただ、ロボットを使用することでテスト自動化のハードルがさらに上がってしまう可能性もあります。そこで、「DT-ACE」では、ロボットの代わりに「専用ハードウェア」を接続し電気的な信号を直接与えることでテスト対象機を操作します。今回の「卓上扇風機」であれば、「専用ハードウェア」がタッチセンサーと距離センサーの代わりをすることになります。

 

「卓上扇風機」の自動テストのデモ動画

「卓上扇風機」の自動テストの動画になります。「卓上扇風機」に「専用ハードウェア」を接続し、PCからテストケースを流すことで組込み機器のテスト自動化を実現しています。

 

最後に

これまで「テスト自動化」をテーマに展示会に出展していますが、お客様の「テスト自動化」に対する関心度も年々高まってきているのが肌で感じられます。「働き方改革」「人材不足」「コスト削減要求」など、いろいろ発端となる要因はあるかと思います。弊社としましても、できる限りお客様の期待に応えられるツール開発・ソリューション開発を行っていく所存です。

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