前回「『Heartland Day 2019』開催!「パネルディスカッション」の模様をレポート その1」に続き、Heartland Day 2019 の「パネルディスカッション」の模様をレポートします。今回のディスカッションテーマは、「3~5年先に予測される課題に向けての取り組み」です。

さまざまな意見が飛び交ったパネルディスカッション

○テーマ:3~5年先に予測される課題に向けての取り組み

新井:次のテーマは、「3~5年先に予測される課題に向けての取り組み」ということで、おそらく業界ごとに壁というものがあると思います。「それをどう乗り越えようとしていますか?」ということを、ディスカッションしていきたいと思います。まずは、楠様のキーワード「自律型テスト」からですね。

楠 :「自律型テスト」は弊社が出させてもらったキーワードなんですけど、3~5年後というキーワードがあったので、オリンピックが終わったり、増税の次に向けて動き出したりして、世の中が変化するころだと思います。弊社では、法令・政令など、世の中が変わるときには、お祭りどころではなくなるんですよ。ですので、人手が少なくなってきているので、人の手を使わないでテストしていきたい。「自律型」と呼んでいるんですけど、目指しているのは、開発者が意識しないで、勝手にテストやコードを生成してしまうというところ。開発者には設計に全力を使っていただいて、それが出来上がって勝手にテストしていく。コードを自動で作るのは難しいと思うので、まずテストから動いていこうかなと思っています。

人の手を全く介さないことは考えていないのですが、AIがテストケースを抽出し、自動で実行し、結果まで用意してくれて、お膳立てをしてくれる、というところまでいきたいなと。実は、数年前から新井さんと山田さんとは話をしていて、無理難題をふっかけて、次第に山田さんが僕の顔を見てくれなくなってきている状況です(笑)

新井:ありがとうございます。ちょっと小田様が気になっているようですが、どうですか。自律型テストというところは、小田様が思い描くところとリンクする点があるのではと思うのですが、どうでしょうか。

小田:開発側としては、設計に力を入れるということは、今後も将来も間違いないです。テストというのは時間がかかるし、意外とつまらないんですね。そういうところを削減していただければ、開発者の空き時間が増えて、空いた時間で次の世代の教育、いわゆる新技術の習得に時間が回せるという、そういう効果がほしいと思います。DT10を使って、そのテストができるかというと分からないですけど、そういった仕組みとか、世の中が変化していくということは期待したいと思っています。

新井:ありがとうございます。
では、次は小田様のキーワード「共同生命体」です。

小田:「共同生命体」というのは、私が提案したキーワードなんですけど、クラリオンは、運転支援、自動駐車、アシスト、高速道路での白線認識など、第一世代レベルの自動運転支援に注力していきます。レベル3以降の自動運転は魅力的ですが、ソフトウェア・ハードウェア、あと、それが実際に搭載される車メーカーが共同生命体でないと作れないのです。

なぜかというと、例えば、弊社では、カメラの部品や、それをコントロールするカメラECUユニットなどを開発しています。だけど、それはあくまでも支援なんですね。最終的には人間がいるという前提でのレベルです。だけど第3レベルになってくると、自動運転の技術を全部知ったソフトウェア技術者、要求設計を作る人、それを実現させるための細かいところの技術を知った人達が集団で存在しないとできない。

それゆえ、こういった領域においてもDT10はAIで自動運転技術系のソフトウェアの品質保証をしてくれる。そういう世界が来ると思っています。

新井:そうですね、特にメーカーさんとの共同生命体をどうしていくかということで、今日は、メーカーさんである楠様がいらっしゃっていますが、共同生命体まではいかなくても、共通言語的なものは何かありますか?

楠 :結局、掘り下げていくと、「共通言語」を構築しているリソースがないんですよ。人がいない、時間がない。ですので、他にやることがたくさんあって、本来決めておかないといけないことが後回しになっているので、人がやることと、人がやらないことを、もっと明確に広めていかないといけないのかなと思っています。

新井:ありがとうございました。山田さんはどうでしょうか。同じ開発者ということで、ハートランドなりの開発スタイルをお伝えしてもらえればと思うのですが、いかがでしょうか。

山田:はい、ハートランドは、常に「笑顔のためのモノづくり」ということをベースにしてやっていますので、今回、来場された皆さんが、私たちの共同生命体。ここで、DT10いらないよとみんな帰ってしまったら我々は何もできなくなってしまうので、常に、皆様が作られている製品と一緒になるものとして、続けていきたいと思いますので、ぜひ見放さないでください。

新井:ありがとうございました。
今回、DT10のご利用者様が集まるこのセミナーで、パネルディスカッションを実施しましたが、このような機会を増やしていって、DT10、さらには開発プロセスやAIなどソフトウェア全体に対して、ディスカッションの場を作っていけたらと思います。

以上でパネルディスカッションを終了させていただきます。ご清聴いただきありがとうございました。

おまけ:懇親会で、さらに深く、熱く。

セミナー終了後、講演者、参加者、ハートランド・データ社員とで、懇親会を開催しました。DT10やセミナー内容にとどまらず、ハートランドのさまざまな事業もご紹介し、いろいろな話題が飛び交い、とても楽しいひと時となりました。

まとめ

DT10が販売開始10周年を迎え、『Heartland Day 2019』とタイトルを変えて実施した今回のセミナー。DT10というツールをきっかけに、業界、業種を問わず、企業間の垣根を越えて人が集まり、ツール活用方法から近未来のソフトウェア開発まで、さまざまな議論ができた、すてきなイベントとなりました。これからも、ハートランド・データの経営理念である「笑顏のためのモノづくり」を実践し、発信し続けてまいります。これからもハートランド・データにどうぞご期待ください。

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