近年、組織再編の波が様々な業界を席巻しています。こういった動きは、単なるグループ企業内だけでなく、異なる企業間にも及んでいます。

異なる企業・組織が統合される際、それぞれが相乗効果を生み出すことによって、新たな価値の創出や効率向上などが期待されます。しかし、実際の現場では、元々それぞれの組織で構築していた既存の開発プロセスが存在するため、各部門が独立した状態に陥ってしまい、狙っていたシナジーが生み出されない・・・ということも。

今回は、自動車業界Tier1のA社がどのようにこの複雑さに立ち向かい、組織再編の荒波を乗り越えたのかを紹介します。

CONTENTS
  1. 大規模な組織再編でサイロ化に悩まされた自動車業界Tier1のA社
  2. すべてのビジネスユニットに一貫したプロセスを整備
  3. まとめ
 

大規模な組織再編でサイロ化に悩まされた自動車業界Tier1のA社

自動車のグローバルなTier1であるA社は、大規模な合併・買収のため20 万人以上の従業員がおり、様々な文化や関係、そして様々な開発プロセスが存在する組織となりました。

自動車業界の今後のメガトレンドである「コネクティビティ」や「自動運転」に向け、A社はハードウェアベースの組織から、エレクトロニクス中心のソフトウェア企業への移行を試みます。

しかしこの大規模な変化の中で、A社は開発のサイロ化に苦しみ、それぞれの部門間で協力することがほぼ不可能になってしまいました。そのため、プロジェクトのステータスや進捗状況などの透明性が低下。企業の成長と戦略的計画を掲げていたA社は、こういった課題に直面しました。

サイロ化とは、業務プロセスや各種システムが孤立し、情報が連携されていないこと。
 

すべてのビジネスユニットに一貫したプロセスを整備

A社はプロセス管理システムStages(ステージズ)を使用して、「Automotive SPICE」の共有・応用可能な標準開発プロセスを定義。さらに、統合プロセス管理(PM)、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)、製品ライフサイクル管理(PLM)を展開し、すべての部署に導入しました。

また、エンジニアリング部門のすべての従業員は、組織内の新しいプロセスに対応するよう、【Stages】のトレーニングも受けました。今後もプロセスを作成・最適化していくため、A社は【Stages】を使い続けることに決めました。

さらにA社は、それぞれの部門だけでなく、すべてのビジネスユニットにわたって一貫したプロセスを整備しました。プロセスはそれぞれ応用可能で、各ビジネスユニットが柔軟に利用することができます。部署移動があっても問題ありません。たとえ組織に合併などの大きな変化があっても、その組織のプロセスおよびツールを、部門間で迅速かつ効果的に共有することが可能、ということが分かりました。

 

まとめ

課題解決に向けた取り組み
• プロセス管理ツール【Stages】の導入
• 標準開発プロセスを定義
• 全従業員向けのトレーニングを実施
【Stages】導入によるベネフィット
• すべての部門で一貫したプロセスの構築
• 各プロセスを柔軟に利用できる
• ビジネスユニット間の最適化

 

プロセス管理システムStages(ステージズ)

Stages(ステージズ)は、Automotive SPICE、ISO/SAE 21434、ISO 26262などの国際規格とのマッピング機能をはじめ、複雑化するプロセス管理をシンプルにする、製品開発のためのプロセス管理ソリューションです。プロセスの定義、共有、運用の課題をこれ一つで解決。プロセスのPDCAサイクルの着実な運用が可能になります。

Stagesは UL Solutions の製品であり、弊社は国内の正規代理店です。

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