こんにちは!
全国で「GIGAスクール構想」が進み、子どもたち一人ひとりにPCやタブレットが配られるようになりました。これからの社会に不可欠なプログラミング教育も小学校で必修化され、「うちの子の学校ではどんな授業をしているの?」と関心をお持ちの保護者の皆さまも多いのではないでしょうか。

私たちハートランド・データ株式会社では、2025年9月19日、未来を担う子どもたちに「学びのきっかけ」を届けたいという想いから、足利市立三重小学校の4年生を対象としたプログラミングの出前授業を実施いたしました。

本記事では、ただプログラミングを体験するだけでなく、「福祉」というテーマを掛け合わせた珍しい授業の様子を、当日の熱気と共にお届けします。官民連携で実現した新しい学びの形を、ぜひご覧ください。

この授業は、足利市教育委員会事務局 生涯学習課主催による学社連携事業の一環として、ハートランド・データ株式会社と共同で企画したものです。小学校の「総合的な学習の時間」を活用し、児童たちにプログラミングを体験してもらいました。


  1. プログラミング教育がなぜ「今」必要なのか
  2. 三重小学校4年生、初めてのプログラミング授業
  3. 「プログラミング × 福祉教育」誰でも一緒に楽しめるゲームを考えよう
  4. 目隠しをして、音を頼りにゴールを目指そう
 

プログラミング教育がなぜ「今」必要なのか

2020年度から小学校で必修化されたプログラミング教育。その目的は、プログラマーを育てることだけではありません。物事を順序立てて考える「論理的思考力」や、失敗を恐れずに試行錯誤する「問題解決能力」を育むことにあります。これからの予測困難な社会を生き抜くために、不可欠な力と言えるでしょう。

ここ足利市でも、GIGAスクール構想に基づきICT環境の整備が進んでいます。しかし、その環境を最大限に活かすためには、専門的な知識を持つ人材の協力が欠かせません。私たちのような地元企業が持つ技術や経験を教育現場に還元すること。それこそが、足利市の未来への最大の投資だと考えています。

今回の授業では、ハートランド・データから9人のプログラマを派遣。各グループごとに手厚いサポートを行うことで、プログラミングの学習に対するハードルをぐっと下げています。



 

三重小学校4年生、初めてのプログラミング授業

「総合的な学習の時間」を2コマお借りして、いよいよ授業がスタート。4年生の子どもたちは、初めての体験に興味津々の様子です。

今回の授業で私たちが設定したゴールは以下の3つ。

  1. 楽しくチャレンジ、ウェルカム挑戦:コンピュータを使って試行錯誤する体験を通じて、諦めずにやり抜く
  2. プログラミングの基本を学ぶ:キャラクターを動かす、ゲームを作ってみる
  3. 誰でもいっしょに楽しめるゲームを考える:目が不自由な人と、耳が不自由な人と、身体が不自由な人と

今回使用したツールは、マサチューセッツ工科大学が開発した「Scratch(スクラッチ)」。ブロックを組み合わせるだけで、直感的にプログラミングができるため、世界中の教育現場で活用されています。


Scratch基本操作の学習では、このようにスクラッチキャットを動かせるよう、みんなでいっしょに、1つ1つの手順を確認しながら操作を学びました。ひとつひとつの操作をクリアするたびに、教室のあちこちから「できた!」「見て見て!」と歓声が上がり、授業も大盛り上がり。


基本操作をいっしょに学んだ後は、スクラッチコーディングカードを使用した「キャッチゲーム」の作成に挑戦。子どもたちは、「キャラクターを変えたい」「もっと速く動かしたい」と、次々に自分だけのアイデアを盛り込んでいきます。エラーが出ても、友達と相談したり、私たちスタッフに質問したりしながら、粘り強く解決策を探す姿は、まさに小さなエンジニアそのものでした。このように創造意欲を駆り立てることができるのも、プログラミング学習のいいところです。




 

「プログラミング × 福祉教育」みんなでいっしょに遊べるゲームを考えよう

三重小学校では、年間を通じて福祉教育に力を入れていると伺いました。そこで今回の授業では、私たちが最も伝えたかったテーマとして、「プログラミングで、福祉の課題を解決できないか?」という問いを投げかけました。 配布したワークシートには、3つのミッションが書かれています。

  1. 目が不自由な子と どんなゲームなら楽しく遊べる?
  2. 耳が不自由な子と どんなゲームなら楽しく遊べる?
  3. 身体が不自由な子と どんなゲームなら楽しく遊べる?

自分たちが作ったゲームを、どうすれば「みんな」が楽しめるようになるか。相手の立場に立って考えるその姿に、私たちは深く感動しました。プログラミングは、単なる技術ではなく、人を思いやるためのツールにもなり得るのだと、子どもたちが教えてくれました。



 

目隠しをして、音を頼りにゴールを目指そう

私たちハートランド・データも、目が不自由でもいっしょに遊べるゲームを作ってきたので、代表の児童にプレイしてもらいました。十字キーのみを使用して、音を頼りにゴールを目指すゲームです。ゴールに近づくと、アラーム音の鳴る間隔がだんだんと短くなり、その音を頼りにキャラクターを操作します。児童には実際に目隠しをしてもらい、ゲームをプレイしてもらいました。

こちらも大変な盛り上がりを見せ、本来は静かに見守らなければいけないところ、見ているお友だちから「もっと右!」、「上だよ!」などと大きな声援が飛び交い、まるでスイカ割りのような一体感が生まれました。


授業の最後に実施したアンケートでは、「とても楽しかった」という声が大多数。ほぼ全員が「またやりたい!」と元気よく手をあげてくれて、今回の授業が子どもたちの「学びのきっかけ」に繋がったことを実感しています。

今回の取り組みは、私たち企業にとっても大きな学びとなりました。子どもたちの無限の可能性に触れ、この素晴らしい才能を足利市で育み、未来に繋げていくことの重要性を再認識しました。



最後に

今回ご協力いただきました足利市生涯学習課および三重小学校の先生方、貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

この授業を通じて、子どもたちがプログラミングの楽しさに触れ、論理的思考力や問題解決能力、そして何よりも「他者を思いやる心」を育む一助となれたのであれば、これに勝る喜びはありません。

私たちハートランド・データ株式会社は、これからも事業活動はもちろんのこと、こうした社会貢献活動を通じて、生まれ育ったこの足利市の発展に貢献してまいります。 今後も私たちの活動にご注目いただけますと幸いです。



補足:教材について

今回の授業で使ったゲーム教材も、オンラインで公開されていて、誰でもアクセスでき、自宅で復習したり、新しい作品を作ったりすることが可能です。「学校の授業だけで終わらせず、もっと学びたい!」という子どもたちのために、ぜひ活用してください。目隠しをしてプレイするゲームも公開してあるので、ぜひ試してみてくださいね。

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