5月27日(水)〜29日(金)の3日間、パシフィコ横浜にて「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」が開催されました。
ハートランド・データも本イベントに出展し、組込み開発における実機テストの課題解決につながるソリューションを、デモを交えながらご紹介しました。
本記事では、当日の会場の様子とともに、弊社ブースでご紹介した「実機テスト自動化」の取り組みについてお届けします。当日ご来場いただいた方はもちろん、それ以外の方にも、開発効率化のヒントとしてご覧いただければ幸いです。
CONTENTS
「人とくるまのテクノロジー展2026」とは?
「人とくるまのテクノロジー展」は、自動車業界の最前線で活躍するエンジニアや研究者のための、国内最大級の技術展示会です。


2026年の開催では、「モビリティは、ここから変わる」をキーワードに、多くの企業が集結。自動車メーカーや部品サプライヤーをはじめ、IT・ソフトウェア企業などによる、最先端の技術や製品が一挙に公開されました。
会場には最新技術が搭載された実車両が多数展示され、各ブースでは多彩なコンテンツが目白押し。連日たくさんの来場者で賑わい、会場全体が活気に満ちていました。
私たちハートランド・データも、こうしたモビリティ開発を支えるソフトウェアの「品質向上」や「効率化」に貢献すべく、本イベントに参加いたしました。
なぜ実機テストに手作業が残るのか? 自動化で変わる開発現場
近年の組込みソフトウェア開発、特に多機能化が急速に進む自動車業界において、避けて通れないテーマとなっているのが「実機テストの効率化」です。ソフトウェアの規模が肥大化する一方で開発サイクルは短縮されており、テスト工程の工数削減は多くの開発チームにとって重要な課題となっています。
こうした中で、CI/CDを活用した自動ビルドやシミュレータ上でのテストは、すでに多くの現場で取り入れられています。それにもかかわらず、なぜ実機を使った結合テスト以降の工程になると、これほど手作業が残ってしまうのでしょうか。
その理由は、実機検証ならではの「物理的な操作」と「内部挙動の確認の難しさ」にあります。
例えば、配線の切り替えやスイッチ操作、画面の目視確認など、人が実際に機器を触りながら進めなければならない作業が少なくありません。こうしたアナログな工程はどうしても工数がかかりやすく、テストがリリース直前に集中してしまう大きな要因になっています。
さらに、たとえ実機テストをスクリプト化して自動実行できたとしても、それは「仕様通りに動いたか」の確認に留まることがほとんどです。CPU負荷率やプロセスの挙動といった「非機能面」のデータ収集・解析は、依然として別途手作業で対応が必要になるという根深い課題もありました。
そこで、これらの課題を解決する手法として、ハートランド・データでは「実機テストの自動実行」と「非機能検証のためのデータ収集」を一連の流れとして自動化してご紹介。現場の負担を減らす仕組みをご提案しました。

CI/CDからの実機テスト自動実行と非機能データの同時収集
実際にブースでお見せしていたのが、この自動化フローを再現したデモ機です。Linux OSで動作するテスト対象機器とともに、AUTOmealと連携する「協働ロボットアーム」を配置。
ロボットアームが実際にスイッチやタッチパネルを操作する様子には、たくさんの方が関心を持って足を止めてくださいました。

実演した自動化フローは以下の通りです。
- 変更コードをプッシュすると、それをトリガーにJenkinsが自動起動します。
- ビルドされたファームウェアを実機へ自動で書き込みます。
- テスト自動化プラットフォーム「AUTOmeal」が自動テストを開始し、協働ロボットアームが物理的な手動操作を代替してテスト対象を制御・計測します。
- テストが実行されている裏側で、動的テストツール「DT+」がテスト対象のLinux OSからプロセス情報を収集・記録します。
- テスト対象の制御・計測が完了すると、プロセス情報の収集を自動停止します。
- 自動テストの結果判定と、収集したプロセス情報の解析が行われます。
開発者が行うのは最初のコードプッシュのみ。あとは待つだけで、機能検証の合否だけでなく、非機能検証に必要なグラフィカルな解析データまでがすべて手元に揃います。
一見複雑に見えるこの自動化フローですが、実は、テスト自動化プラットフォーム「AUTOmeal」と、動的テストツール「DT+」の2つのツールを組み合わせることで実現しています。ここからは、それぞれのツールについて詳しくご紹介します。
実機テスト自動化を担う「AUTOmeal」の役割
テスト自動化プラットフォーム「AUTOmeal」は、これまで人間が行っていた「手動操作」や「状態の確認」、「結果の判断」といったプロセスを自動で代行します。


テスト自動化プラットフォーム「AUTOmeal」の詳細はこちら →
ご紹介したデモのように協働ロボットアームと組み合わせることで、人間による物理的なスイッチ操作やタッチパネル操作を代行。実機ならではの検証をそのまま自動化できます。
そのほかにもAI動画判定ツールとの連携にも対応しており、カメラ映像や画像をもとに、LEDの点滅状態やディスプレイの表示まで自動で判定できるようになります。
テストが始まれば、データの計測から期待値との照合、そして合否の判断までをすべて無人で実行。夜間や休日でも自動でテストを実行し続けられるため、人間による見落としや判断のばらつきがなくなり、常に一定の精度で検証をキープできるようになります。
動的解析「DT+」で、非機能検証のデータ収集も自動化
こうしてAUTOmealによって実機テストが自動化される一方で、組込み開発においてもう一つ忘れてはならないのが、テストが動いている最中の「実機内部の挙動」の検証です。仕様通りに動いたかという機能面に加え、その裏でCPUやプロセスがどう振る舞っていたかという非機能面のデータもあわせて確認できると、より安心してリリースへと向かえるようになります。
動的テストツール「DT+」は、まさにこの自動化されたテストの実行と並行し、システムを止めることなく実機内部のリアルな動きを記録・解析します。


CPU負荷率やプロセス占有率、関数の遷移など、非機能検証に欠かせないデータを時間軸で分かりやすく可視化。さらに、割り込み発生のタイミングや周期時間のばらつきといった詳細な挙動も確認できます。
ご紹介したデモでは、テストが実行されている裏側でこれらの非機能検証に必要な情報が自動的に集まり、テスト終了と同時にすぐ解析できる状態が整う、自動化フローをご覧いただきました。
これまで多くの工数がかかっていたログ収集や整理、グラフ化といった作業もDT+で効率化。手作業でログを追いかける時間がなくなるため、「この挙動で本当に問題ないか」という見極めや、不具合の根本原因を探る解析業務に、朝一番から集中できるようになります。
まとめ
改めまして、「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」の弊社ブースへお立ち寄りいただいた皆さま、ありがとうございました。
実機テスト自動化のデモ以外にも、出展ブースではプロセス管理システム「Stages」のデモ展示も行いました。これらのデモを通じて、単なるテスト環境の自動化だけでなく、その土台となる開発プロセスの管理まで含めて、ハートランド・データの取り組みをご覧いただけたのではないかと思います。
「AUTOmeal」による実機テストの自動化と、「DT+」による挙動データの自動収集を組み合わせることで、より早い段階で不具合に気づき、エンジニアの皆さまが設計や解析といった本来注力したい業務に集中できる環境づくりを支援していきたいと考えています。
「実機テストの自動化に興味はあるけれど、何から始めればいいか分からない」 「CI/CDは導入しているものの、実機検証との連携に課題を感じている」そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。皆さまの開発現場に合わせた活用方法をご提案いたします。
本記事が、実機テスト自動化を検討する際のヒントになれば幸いです。
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