~ DT10の後継機種 DT+Trace ~
DT10時代に多くのユーザー様からご支持いただいていた機能を継承。
昨今の事情を踏まえた「あたらしいテストのかたち」をいち早く皆様に提供すべく、
まずは最小限の機能を搭載してリリースされ、もうすぐ1年。

この間、ハートランド・データでは、お客様の声に応えるかたちで機能を向上させるべく、試行を積み重ねてきました。
今回は、近々DT+Traceに追加される新機能について、前後編に分けてご紹介いたします!
※2021年9月現在開発中の機能となり、リリース時の仕様と異なる場合があります。

DT+アプリケーション間のデータ取得開始同期

DT+TraceとDT+Analogの連携は、特に組込み機器のデバッグ効率化に威力を発揮します。
しかし、DT+TraceとDT+Analogの両方のアプリケーションを使用して同時にデータ収集する場合、
それぞれのアプリケーションからトレース開始操作を行う必要がありました。

別々にデータ取得を開始するとなると、厳密なトレース開始の同期が出来ない、
つまり取得したデータの時間値がどうしても合わなくなってしまい、使い勝手が良いとは言えませんでした。

この問題を解消すべく、今回のアップデートでは、
DT+Traceでレポートの取得開始をする際に、同一PC上で、同時に起動している他のDT+アプリケーションに対して、
タイミングを同期してレポートの取得を開始できる仕組みが追加されます。
※データ取得開始同期機能はDT+Traceのみに実装され、DT+Analogから他のDT+プロセスに対するトレース開始/停止の通知はできません。

複数CPU動作の同時トレース

新たなオプション製品「Multi-Trace Unit (マルチトレースユニット) 」が追加されます。
Multi-Trace Unitは、DBOX+Trace と組み合わせて使用することで、
複数CPU動作時の同時トレースを実現します。
CPU毎に汎用ポートを準備することで、最大4CHまで同時に取得可能です。

対応する接続方式は、
・GPIO 4Bit
・GPIO 2Bit
・SPI
・I2C
となります。

使いかたをご紹介させていただきます。とてもかんたんです。

・接続方式の設定
プロジェクトの接続方式を「Multi-Trace Unit」に設定します。

・レポートを取得したいソースコードを1つのプロジェクトに登録する

・Multi-Trace Unitの接続
DBOX+Trace専用ハードウェア「Multi-Trace Unit」に、各CPUのデータ出力用に使用する汎用ポートにつないだ8Pin Probeを接続します。

・各chの接続方式設定
DT+Traceの「Multi-Trace Unit設定」で、それぞれのチャンネルの接続方式を選択します。
各CHに割り当てたい接続方式をそれぞれ選択して、データ取得準備完了です。

・取得したデータの見かた
テストレポートのCHカラムにCH番号が表示されます(Multi-Trace UnitにあるCH番号と同じ)。

関数遷移スコープ上でもCH毎の遷移が確認できます。

CANUSB使用可能モジュールの拡充

CAN接続で新しいデバイスに対応いたしました。
従来、Vector Japan社から販売されている「VN1600シリーズ」のみの対応でしたが、LAWICEL社のCANUSBが使用可能となります。

まとめ

今回お送りした前編は、
従来からある機能の使い勝手を向上させ、より快適に使っていただけるようになったもの
をご紹介させていただきました。

次回、後編では、完全に新規追加となる機能たちをいち早くご紹介いたします。
乞うご期待!

今回ご紹介した機能は、2021年9月現在開発中のものとなります。
リリース時の実際の仕様とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。
なお、ご不明な点につきましては、弊社サポートチームまでお問い合わせください。
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動的、継承。DT+シリーズ、新登場。

今までのDTシリーズの機能はそのままに、 パーソナルなデバッグから、テストの自動化、リモートテストまで、 多様な開発スタイルに幅広く対応できる、進化する動的テストツール、 それがDT+。