昨年10月ごろに掲載した
60GHzミリ波レーダーセンサーを使ったシステム構築記事。

レーダーセンサーで心拍をモニタリングするシステムつくってみた
ことしの初めに当ブログに載せた60GHzミリ波レーダーセンサー。
いろいろあってちょっと間があきましたが、システムを組んでみたので「お見せしていいよ」って言われた範囲でご紹介します!
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またちょっと間が空いてしまいましたが、

「もっとユーザーフレンドリーなUIにしたい・・・!」

という思いを糧に、アプリ側も開発が進んできたので、
またお出しできる範囲でご紹介させていただきます!

 

これまでの振り返りとアプリの機能仕様

前回記事では

  • レーダーセンサーを使って心拍を計測
  • 計測データを記録してモニタリングに使う

という目的に向かってシステムを構築しました。

で、その結果、
システムとしては

  • ちゃんと心拍が計測できて
  • いま部屋のどの辺にいるのかも追いかけられて
  • それらをネットワーク越しにモニタできる

そんな要件は満たせていたのですが・・・

でもアプリはリアルタイムの心拍値だけが表示されているし、
UIも文字だらけで、The エンジニアリング! って感じだし、
非エンジニアなエンドユーザーの視点で見てみると、かなり取っつきにくい。

「これじゃ、みまもりたい人の状態がよく分からない!!」

そこで、エンドユーザー視点で必要な情報を精査。
実際にアプリとして形に起こしてみることにしました。

必須仕様をかんたんにまとめると、次のようになります。

  • アプリでシステムの初期設定ができること
  • 心拍数/呼吸数の蓄積データを表示できること
  • みまもり対象(1名とする)の状態を、エンドユーザーに対してより直感的に表現できること

次項からは、それぞれの機能を追いかけていきます。

 

レーダーセンサー見直し

アプリの仕様をごにょごにょする前に…

まずはアプリによるみまもりに必要なデータが、
いまのシステムで出力できているもので必要十分かどうかを見直します。

前回のシステム構築では、
計測データはIoTネットワークを通じてローカルPCに溜める
ということをやっていたわけですが、

今回は
みまもり対象1名に対して、心拍数と呼吸数を計測し、Wi-Fiで投げる
ということが要件になります。

つまり、Wi-Fiにデータを投げるためにちょっとしたシステム変更が必要です。

そこで、
今回はレーダーセンサー自体を”HRS-R8A”から”MOD611″に変更することにしました。

MOD611は、そのままつけるだけでWi-Fi経由で指定のサーバーに計測値を送信することができるレーダーセンサー。
電源につなげばすぐに使用可能で、1名のバイタル(心拍数と呼吸数)を取得できます。

システム上のセンサーをHRS-R8Aと置き換えるだけでWi-Fiに対応してしまおう、というイメージです。

 

システムの初期設定機能

次にシステムの各種設定機能を見ていきます。

ポン付けでWi-Fi対応できてしまうMOD611ですが、
さすがにWi-Fi設定されていない初期状態では、指定されたPC(サーバー)へデータ伝送できません。
アプリケーションから接続を行うネットワークや送信先のPC(サーバー)設定を行う必要があります。

ということで、ネットワーク設定機能をアプリに実装しました。

MOD611には、

  • 接続対象のネットワーク(Wi-Fi)
  • データ送信先のPC(サーバー)

を設定するための特殊モードが用意されていて、

この特殊モードに入ったMOD611に対して
アプリからネットワーク設定を流し込むイメージです。

 

みまもり関連の機能

続いて肝心のみまもり機能を実装していきます。
まずはバイタル情報の表示から。

バイタル情報のリアルタイム表示

MOD611から送信されるバイタルデータを、リアルタイムで表示できるようにします。

瞬間的な数字のみが表示されていても使い勝手的に難しいのでは、
ということで、データを蓄積してグラフとして表示する機能も実装してみました。

複数台/複数名の管理

MOD611が1台あるごとに1名のみまもりができるわけですが、
複数台を管理できれば、複数人分もしくは複数居室分のみまもり管理ができるはず…。

ということで、複数台のレーダーセンサーを登録/管理できるようにしておきます。

アプリが繋がっているネットワーク上をサーチして、
レーダーセンサーを発見したらリストアップ、
登録するかどうかはユーザーに選んでもらう。

といった感じにしてみました。

こんな感じ↓でレーダーモジュールを登録し、
瞬間的なバイタル値なら一覧表示できるようになりました。

通知/アラート機能

「みまもり」をするうえでは、何かあったら通知が出るようにしておきたいもの。
ということで、

アプリ内でバイタル値の上下限値を設定できるようにして、
その閾値を超えた場合に
アプリ内アラートやLINE通知を発生させることができるようにしてみました。

以下のGIF画像は、
心拍数の上限閾値を60に設定した(=心拍数が60を超えるとアラート発信する)場合の例です。

設定上限を超えると、アプリ内アラートとLINE通知が発生します。

おまけ:不在検出

バイタルデータ以外にも、検知対象者がいるかどうかといった情報も取得できるため、
不在確認の機能も入れてみました。

不在になった場合にアラートとLINE通知するようにできます。

 

みまもる側にも優しい、直感的な状態表示

さて、ここまでいろんな機能をアプリに実装してきましたが、
それらはレーダーが検知対象とする人物を「みまもる」ために実装しました。

ただ、
数値やらデータやらが多くなってしまっている
⇒エンドユーザー視点ではあまりフレンドリーな情報表示が出来ていない
という意見が。

たしかに…。

ということで、もう少し分かりやすい表示を目指して
「ぱっと見で状態が分かるようなアイコン表示」
を追加します。

受信したバイタルデータをアプリ側で判定。
みまもっている経過として、大丈夫そうなのか注意が必要なのか、アイコンを切り替えつつ表示するようにしてみました。

ちなみに、各アイコンの意味は通義の通りです。

  • 「ニコニコ」 → 正常バイタルデータ
  • 「びっくりマーク」 → バイタルデータが設定値範囲外
  • 「はてなマーク」 → 不在
  • 「Wi-Fiマーク」 → センサーが電源OFF、またはネットワークから切断されている

ちなみに、複数台のレーダーが登録されている場合、
それぞれのレーダーに名前を付けられるようにしてあるのですが、

各レーダーの名前を設置場所にしてみると、
パッと見で、みまもりたい人の健康状態と居場所が確認できるように。

なんか汎用性の高そうなアプリに仕上がりました。

 

まとめ

いかがでしたか。

MOD611用のみまもりアプリとして

  • レーダーから送信されるバイタルデータの表示ができる
  • 最新のデータだけでなく、過去データもグラフにて表示する
  • 居場所の確認もできる
  • アプリ設定値を元にアラートがでる
  • アラートをLINEにて転送することができる

等などを実装してみました。

で!

せっかく作ったアプリを埋もれさせておくのはもったいないので、
MOD611を弊社から購入していただいた場合に、このアプリをお付けすることにしました!
※あくまでご購入いただいたMOD611の動作確認用です。

  • ・MOD611を実地で評価してみたい
  • ・みまもりシステム自体を評価してみたい

といったご要望をお持ちでしたら、
「とりあえず連絡したんですけど…」くらいの勢いでお気楽にお問い合わせください!

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